四季折々の京都そして日本の素晴らしさを理解して頂く一助となれば幸いです。

動画

春編 ー京の春ー

京の春

夏編 ー五山送り火ー

五山送り火

秋編 ー京の秋ー

京の秋

冬編 ー京の冬ー

京の冬

解説

春編 ー京の春ー

京の「桜物語」 実は2月末頃から4月末頃迄

序 章
かなり早咲き
「長徳寺のおかめ桜」

2月末から3月半ばにかけて咲く、早咲きの桜。河津桜寒緋桜緋寒桜大寒桜、不断桜、おかめ桜など。
まだまだ寒い時期に、桜の開花を知らせる情報、「桜便り」の先駆けとなって耳に入ってくる桜です。新聞やTVの桜便りですと、次の第一章の著名な桜が紹介されることが多いようですので、こちら個人のWEBサイトやブログをはじめSNS等で紹介される、ちょっとレアな桜かと。「一條戻橋東詰の河津桜」「三條大橋の西詰の河津桜」「長徳寺(出町柳)門前のおかめ桜と寒緋桜」。それに群生では「淀の桜並木(河津桜)」など知る人ぞ知る桜です。


第一章
早咲き
「平野神社の魁桜」
「賀陽宮邸跡のシダレザクラ」

3月中旬頃から下旬頃に咲く、やや早咲きの桜。「エドヒガン」「シダレザクラ」・「ヤマザクラ」の一部には、通常の桜より少し早めに咲く桜が多いようです。「車折神社の渓山桜」・「平野神社の魁桜」・「大報恩寺(千本釈迦堂)のおかめ桜」など。「京都御所 紫宸殿前の左近の桜」も品種でいいますと「ヤマザクラ」なのですが、少し早く開花を迎える年が多いようです。
そうそう、少し早咲きといえば、「京都御苑 陽宮邸跡(出水の小川向かい、少し南)のシダレザクラ」は見事です。ソロですが、非常に大きく巨大な天蓋の如き、しばらくは見惚れてしまうような堂々たる枝垂れ桜です。


第二章
通常
「哲学の道」の関雪桜

3月下旬頃から開花し、4月の上旬頃に満開を迎える、時期的には通常の桜。ソメイヨシノが、関西一円の平地で満開を迎えるこの頃、京都もやはり大勢の花見客で賑わいます。
「円山公園 祇園のシダレザクラ」「地蔵禅院(井手町)のシダレザクラ」「井手の玉川沿いのソメイヨシノ」「背割堤(八幡市)のソメイヨシノ並木」「上賀茂神社の御生みあれ桜」賀茂川沿いの「師範桜」など枚挙に暇がありません。そうそう「哲学の道の関雪かんせつ桜」も時間を充分取って散策してみたいですね。「関雪桜」とは品種名ではなく、画家の名前です。銀閣寺近くの白沙村荘はくさそんそう」>という自宅兼アトリエを構えた、近代関西画壇の雄、橋本関雪画伯の名前に因んでいます。関雪の奥さん、よね夫人が「主人が若い頃からお世話になっている京都に何か御礼をと思い立ち、そうだ!桜がいい!」と提案したことから、300本の桜を京都市へ寄贈、京都市はそれに65本をプラスして、合計365本のソメイヨシノやエドヒガン等の桜が、疏水分線沿いに植えられたといいます。


第三章
遅咲き
「黒田の百年桜」

4月中旬から下旬の頃に咲く、遅咲きの桜。
京都御所 清所御門向かいの「車返し」、同じく京都御苑「出水の小川」に咲く、「関山かんざん」や「御衣黄ぎょいこうなど里桜の数々。
また京北の「常照皇寺の御車返し&九重桜」「仁和寺の御室桜」「半木の道のベニシダレ」「上賀茂神社の斎王桜」「春日神社(右京区京北)黒田の百年桜」「雨宝院(西陣聖天)の御衣黄」など。比較的、品種改良された里桜系が多いようです。


最終章
超遅咲き
「引接寺の二尊院普賢象」

4月下旬頃に咲く、超遅咲きの桜。「引接寺(千本ゑんま堂)の二尊院普賢象」は例年ですと、GWの直前でも楽しめる、京都でも最後の最後に咲く、おおトリ的な桜。
花弁がハラハラと散るのではなく、椿のように花全体がポトッと地面に落ちるので「落花の風情」がまた見事!
満開を迎える頃には「普賢象桜の夕べ」という宵のイベントを実施する年もあるので、チェックしておきたいですね。

代表的な桜の品種(抜粋)

■自生種(野生種)

エドヒガン

自生種の代表格で、もともと江戸を含めた東日本で春の彼岸の頃に咲いていたことから、その名が付いたといわれています。現在は東日本のみならず、全国で見かけられ、日本のみならず朝鮮半島や中国でも見られます。
土壌や気候など環境に適応すると、非常に長命で、日本の名立たる桜の古木は、殆どがこのエドヒガンです。山梨県北杜市の神代桜じんだいざくら(樹齢2000年)」、岐阜県本巣市の淡墨桜うすずみざくら(樹齢1500年)」、福島県三春町の滝桜たきざくら(樹齢1000年)」、これら日本三大桜は全てエドヒガン系で、国の天然記念物に指定されています。


オオシマザクラ

伊豆大島原産といわれることから、その名で呼ばれる。幹は比較的細くゴツゴツとした突起部分は少なく、エドヒガンやヤマザクラと比較すると幾分滑らかでさえあります。また、葉が非常に柔らかく、食用に適しているため、桜餅を包む桜の葉といえば、このオオシマザクラが重宝されます。


ヤマザクラ

一重で色は純白に近く、故に潔さの表れとして、愛でられてきました。
「花は桜木、人は武士。」の「桜」とはヤマザクラを指すといわれ、また「敷島の大和心を人問はば 朝日に匂う 山桜花」と本居宣長の歌でもあるように、古来より日本人に桜の代表格として、親しまれています。


シダレザクラ

その名の通り、枝がしな垂れていることからが名の由来でしょう。
京都では、「近衛の糸桜」「平安神宮」が代表格で、前者は糸のように細く繊細な枝で、現在も京都御所の北、京都御苑の一番北にあった近衛邸跡に、毎年花を咲かせてくれる。後者は「ベニシダレ」で、東神苑と呼ばれる庭の最後のエリアの池の周りを囲むかのように咲きます。
早咲きもあれば、通常の時期に咲くものまで、咲く時期に関しては幅広いようです。

■園芸種(里桜系)

染井吉野 ソメイヨシノ

「エドヒガン」「オオシマザクラ」の交配種(園芸種)で、江戸時代後期江戸の染井村で誕生したことから、その名が付いたとされます。現在は、学校や桜並木や公園などで一番よく見かける桜といえるでしょう。


御衣黄(ぎょいこう)

徳の高い僧が身に着ける黄色い衣が、その名のルーツ。葉の葉緑素が花弁にまで、及んでいるため、黄緑色の花を咲かせます。もともと宮中にあって、皇室にゆかりの深い寺院などに下賜されたと伝わるが、現在京都御所には無く、京都御苑の出水の小川に1本のみ有ります。
寺院では、仁和寺に数本、また雨宝院・大報恩寺などにも各1本存在します。


関山(かんざん)

園芸種の八重桜では、シェアがトップではないでしょうか? 
花は大振りで色は紅に近いですね。京都御苑 出水の桜や、大阪の造幣局でもよく見られます。


有明(ありあけ) 

御室桜で知られる仁和寺の桜の多くは、この「有明」です。正確に言えば、「御室有明」という園芸種です。現在、奥の観音堂の前に200本近くが4月中旬頃に見頃を迎えますが、特徴として、背丈が低いこと、花が園芸種にしては、その殆どが珍しく一重であること。実は八重も若干あるのですが、もともと「御室有明」は一重だったのが、何かが原因で突然変異し、八重となり、現在再び一重に戻りつつあるのだそうです。不思議なこともあるものですね。いわゆる「先祖返り」です。

桜 関連画像

やすらい花(祭)

今宮「やすらい花」今宮神社参道

疫病退散を祈り、毎年洛北の4エリアで実施される「やすらい花」は、古来より行われてきた鎮花祭はなしづめのまつりの流れを汲むと考えられることから「やすらい祭」とも呼ばれており、京都の三大奇祭(鞍馬の火祭、太秦の牛祭<現在休止中>)の一つとしても知られています。

川上「やすらい花」 西賀茂
やすらい花(祭)イメージ画像

毎年4月第2日曜日には、今宮・玄武・川上(西賀茂)など3エリアで、また5月15日には上賀茂で、「やすらい花」(重要無形民俗文化財)が行われています。

平安時代以前に由来を持つとされる、「花」の力による疫神えきじん封じ(花鎮はなしずめに由来し、桜や椿で飾られた風流傘ふりゅうがさを中心に、鉦や太鼓の囃しにあわせて赤熊しゃくま黒熊こぐま(鬼とも呼ばれる)羯鼓かっこ(小鬼と呼ばれる)が町を練りながら、踊ります。

「やすらい花(祭)」今宮神社境内

この風流傘ふりゅうがさの下に入ると、一年を無病息災で過ごせると伝えられ、見物人達は、行列の休止の合間にこぞって傘の下に入ろうとするのです。

夏編 ー五山送り火ー

「送り火」=「お精霊さん」の道しるべ

大文字をはじめとする「送り火」は、単なる山焼きではなく、「送り火」なのです。
お盆に帰ってきてはったお精霊しょらいさんが、あの世に帰らはるさいに、迷わんように、点すのが「送り火」なのです。ですので、「大文字焼き」という言い方はいささか不適切な表現といえるでしょう。そうそう、京都では先祖の魂を「お精霊しょらいさん」と敬意と親しみを こめて呼んでいるようですね。

巷では「京の夏は祇園祭に始まり、大文字に終わる。」といわれます。大文字をはじめとする五山の送り火は、ゆく夏を惜しむかのような夏の風物詩と見られているようですが、「送り火」ですのでお盆の間に、家に里帰りをされたご先祖様を冥府に見送る道明かりとするのが、山肌に点される 「送り火」で、京都では現在、五山が残っています。

各家庭ではお盆の前後に迎え鐘を撞いたり、迎え火を焚いて、御先祖様を懇ろに迎えます。15日の内に、あの世に還るとされている地域が多い中で、京都では16日の夜に「お精霊さん」があの世に還られる、と考えられています。ですので、16日午後8時から「五山送り火」を眺めながら、御先祖や亡くなられた親しい人達との名残を惜しむのです。中には送り火に手を合わせていらっしゃる 人も見受けられます。

何度も申し上げますが、単なる山焼きではなく、送り火ですので、やはり深い意味と長い歴史をもっています。その起源ですが、一番古いのは平安時代初めで弘法大師空海が考えたとする説。室町時代の半ば、足利義政が我が子の菩提を弔うために、相国寺の僧に頼んで始めたという説。また江戸時代初期のお公家さんnの日記に「大文字」に関する記述が見られることから、少なくとも四百年程前には、都の人達には無くてはならない「送り火」。一番多い時は「五山」ではなく、 10~11の山で点されたとも考えられます。

現在も続く「大文字」「妙・法」「船形」・「左大文字」・「鳥居形」と。東山から嵯峨まで京都盆地を時計の反対回りにぐるっと半周、順番に点される「五山の送り火」は伝統工芸や社寺と同じように、多くの人達の努力と精進によって、長い年月の間守り伝えられてきているのです。現在は、各山の保存会の方々が中心となり、草刈や山肌の整備、松明の材の確保など、一年を通して「送り火」の 伝統を守り続けているのです。

五山送り火の種類

大文字(東山浄土寺)
大文字(東山浄土寺)

東山三十六峰「大文字山」に五山で最初に点され、火床の規模も大きく、市内からよく眺望できるため、「送り火」の代名詞的存在。主幹寺院の浄土寺は天台宗から始まった浄土宗の寺院。

20:00 点火

妙・法(松ヶ崎)
妙・法(松ヶ崎)

西山の「妙」、東山の「法」は数百メートル離れているが同時に点火されるため、二箇所で一山と数えられる。主幹寺の涌泉寺(妙)・妙円寺(法)は共に日蓮宗系の寺院。

20:05 点火

船形(西賀茂)

上賀茂神社から賀茂川を挟んで西の地域は西賀茂と呼ばれ、「船形」の送り火で有名な船山がある。主幹寺院の西方寺は浄土宗の寺院で、送り火の後は境内で六斎念仏が奉納される。

20:10 点火

左大文字(大北山)

金閣寺奥の大文字山(大北山)に、点火される。主幹寺院の法音寺で松明の親火が起こされ、境内から松明行列が西大路通を渡り、金閣寺前に手松明を持って並ぶ姿は壮観。

20:15 点火

鳥居形(奥嵯峨)

金閣寺奥の大文字山(大北山)に、点火される。主幹寺院の法音寺で松明の親火が起こされ、境内から松明行列が西大路通を渡り、金閣寺前に手松明を持って並ぶ姿は壮観。

20:20 点火

秋編 ー京の秋ー

京の「紅葉物語」~染まりゆく季節の移ろい~

丹波&京北エリア
11月上旬頃~中旬頃

動画でもご紹介している「玉雲寺(京丹波市園部)」「常照皇寺(京都市右京区京北)」など、寺院の境内の紅葉はもちろんのこと、自然に恵まれたこのエリアでは「美山かやぶきの里(京丹波市)」など、里山ならではの、素朴で、どこか懐かしい、日本の原風景的な秋の気配が感じられます。


洛北エリア
11月上旬頃~中旬頃

「三尾(さんび)」という名でも知られる「栂尾・槇尾・高雄(いずれも京都市右京区)」をはじめ、「貴船」・「鞍馬」・「花背」・「大原」・「静原」・「岩倉」・「八瀬」・「修学院」・「一乗寺」・「北白川」(いずれも京都市左京区)など、山々に囲まれ、自然豊かな地で人々が生活を営むエリアは、洛中よりも少し、紅葉の色付きが早いようで、10月末から11月初旬にかけて紅葉が始まり、11月中旬頃には、見頃を迎え、下旬頃には散もみじが楽しめる、というサイクルですね。


洛東エリア
11月中旬頃~下旬頃

東山山麓に建つ「慈照寺(銀閣寺)」「禅林寺(永観堂)」、「南禅寺」、「青蓮院」、「知恩院」、「高台寺」、「清水寺」、「泉涌寺」、「東福寺」(いずれも京都市東山区)のなど、全国的にも著名な紅葉の名所が立ち並びます。東山区周辺の紅葉の名所は、比較的近くに連続していますので、歩いての移動が比較的容易なのが、このエリアの特徴ですね。歩くことを楽しむならば「哲学の道」「疏水のインクライン跡」、「神宮道」、「智恵の道」、「円山公園」、「ねねの道」、「産寧坂」などを導線として散策してみたいですね。


洛西エリア
11月中旬頃~下旬頃

天龍寺や千光寺(大悲閣)のある「嵐山」、「大覚寺」・「清凉寺(嵯峨釈迦堂)」・「二尊院」等でも知られる「嵯峨野」はもちろんのこと、更に西ですと、「光明寺(長岡京市)」や「善峯寺」・「勝持寺」・「大原野神社」・(左記はいずれも京都市西京区)」など、花園の法金剛院や妙心寺の塔頭「退蔵院」・「大法院」なども紅葉は見事です。エリアが広く、紅葉で有名なスポットが目白押しです。


洛中エリア
11月中旬頃~下旬頃

「相国寺」方丈・開山堂・境内の紅葉、大徳寺の塔頭「黄梅院」・「高桐院」など。
「京都御苑」や「廬山寺」、「梨木神社」周辺も時間が有れば、是非歩いてみたい所です。
最近では「妙顕寺」・「妙覚寺」など、上京区の日蓮宗系の寺院では、特別公開や夜間拝観をすることもありますので、要チェックですね。ライトアップといえば「北野天満宮 御土居」は、起伏があり、紙屋川の流れも耳に心地よく、幻想的です。


山科エリア
11月中旬頃~下旬頃

寺院では「毘沙門堂」や「岩屋寺」、「隨心院」、「勧修寺」など、道では本圀寺周辺の「琵琶湖疏水」「日向大神宮参道」など、知る人ぞ知る紅葉エリアです。
特に「勧修寺」境内の紅葉は、遅くまで(11月末から12月初旬)楽しめるといわれています。


名残の紅葉が楽しめそうなスポット
11月下旬頃~12月上旬頃

「下鴨神社 糺の森」は、樹木の種類も多く、紅葉が段階的に進みますので、比較的遅く紅葉が楽しめる町なかスポットです。また「日向大神宮」の紅葉のピークが年によっては、遅くなることが多く、不断桜(十月桜)が境内に、花を数輪付けますので、紅葉と桜の競演が楽しめます。


北から南から紅葉おすすめスポット

舞鶴市の「金剛院」は、「関西花の寺」霊場でも「紅葉の名所」としてお墨付きです。
境内の三重塔が聳える姿と紅葉と澄んだ青空のマッチングは見事!
八幡市の「善法律寺」は、京都では珍しい「律宗」の寺院で、「八幡の紅葉寺」として知られ、境内は例年11月下旬に色付いた楓で覆われます。堂内は非公開ですが、境内は自由に参拝できますので、石清水八幡宮を参拝した後(或いは前)に、是非お参りと紅葉の鑑賞を。

「もみじ」とは?

一般に「モミジ」とは、広い意味で紅葉(または黄葉・褐葉)する樹木(落葉樹が多い)・植物のこと全般を指します。 狭い意味では、「楓」類の総称を指したり、楓の中で特定の種(イロハモミジ等)を指す場合もあります。

紅葉(こうよう)
葉が赤く変色すること

赤色は「アントシアニン」に由来


黄葉(おうよう)
葉が黄色く変色すること

黄色は「カロテノイド」に由来


褐葉(かつよう)
葉が褐色に変化すること

褐色は「フロバフェン」に由来


緑葉(りょくよう)
葉は光合成中

緑色は「クロロフィル」に由来

■代表的品種その1

イロハモミジ

葉は五~九枚で、その数を「いろはに…」と確認したことから名付けられたとも。葉全体は小振りで、京都の高雄のものが有名なことから別名「タカオカエデ」とも呼ぶ。

■代表的品種その2

トウカエデ

「当楓」の名の通り中国が原産。葉は三枚で、表面は光沢が有り 裏面は白い粉がある。享保年間に日本にもたらされたという。
別名「三角楓サンカクカエデ

■代表的品種その3

オオモミジ

イロハモミジの変種。日本海側には無く、太平洋側のみに分布。
名前の通りイロハモミジより全体的には大振り。

紅葉 関連画像

冬編 ー京の冬ー

京の「冬物語」~底冷えの中、無病息災を祈る~

「丹波霧」
9月頃~12月頃

周囲を比較的高い山々に囲まれ、寒暖差の激しい丹波地方で、秋から冬にかけて発生する霧のこと。この霧の範囲が広くなった時、高台から平地を見下ろすと「雲海」と呼ばれる、自然現象が目の前に拡がる。「亀岡」「大江(福知山市)」が有名です。


雪の似合う町
12月下旬頃~3月中旬頃

雪が降ると「鹿苑寺」は行列ができる。雪の「金閣」を撮影したい人々で賑わう。
「慈照寺(銀閣寺)」でも雪が降りしくと、モノトーンの美しさが際立ち、「枯淡の美」が味わえる。「辰巳大明神」「白川」で有名な、「祇園新橋」もしっとりとした京の冬を演出してくれる。朱の色が映えるのは、「上賀茂神社」や「下鴨神社」、「八坂神社」等の楼門「平安神宮」の神門(応天門)、「伏見稲荷大社」の鳥居など神社も良いですね。
また、禅宗寺院の枯山水も、雪がうっすら積もると、またいつもとは次元の違う美しさと品格を際立たせる。龍安寺の方丈前庭「虎の子渡し」や、大徳寺瑞峯院の方丈南庭「独坐の庭」などがお薦めです。


冬の風物詩「大根焚き」
11月下旬頃~2月中旬頃

寒さが身に染みてくる頃になりますと、熱々の大根焚きが待ち遠しくなりますね。寒い冬を乗り切ろうと、人間の身体が、ビタミン類など栄養豊かな大根を本能的に、欲しているのかも知れません。大根焚きのピークは12月で、京都の各寺院では、境内で大きなお鍋に大根を沢山煮込んで、参拝客に振舞われます。(有料:無料共に)
有名なところでは、千本釈迦堂で知られる「大報恩寺」
釈迦しゃか成道会じょうどうえ」といいましてお釈迦さんが悟りを開いた日(12月8日)とその前日に、大根焚きが振舞われ、境内は大勢の老若男女で溢れかえります。本尊のお釈迦さんの前で祈祷済の「聖護院大根(淀産)」とおあげさんを、昆布と醤油だしで煮込んだ、素朴な味です。「中風除け」にもなると昔から言い伝えられています。


「おけらまいり」
12月31日&1月1日

白朮おけらまいり」有名なのは、東の八坂神社、西の北野天満宮です。
どちらも大晦日の夜、おけら火という神火を火縄に移して、家に持ち帰り、お正月の雑煮をたく時の竈の火に、或いは仏壇のお灯明に、といそいそと持ち帰るのです。
「白朮」というのは、虫の「螻蛄おけら」ではなく、薬草の「白朮おけらで、菊科の植物だそうです。そういえば、菊も古来より薬草として珍重され、厄病神除けとして、役目を果たしています。前の年の罪や汚れを、除夜の鐘で払いのけ、翌年は神社で頂いた神火で清めるという、厄払いと浄火信仰を合わせた京都人独特のスタイルといってもよいでしょう。

京の冬 関連画像